出版不況で本が売れない時代でもライターなら食べていける。
1984年から毎年7月に開催されていた出版業界の祭典「東京国際ブックフェア」が、2017年から中止されています。
わたしも何度か足を運びましたが、開催日は皇太子を招待したり、日本だけでなく海外の出版社も出展。特に2010年は電子書籍元年と呼ばれ、Google・Amazon・楽天などIT企業も出展し国際ブックフェアの名前に恥じない大きなイベントでした。
出版不況と言われて久しいが、国際ブックフェアの中止は出版業界が衰退している象徴かもしれません。
このまま本が売れなくなり本や雑誌・新聞という文化はどうなるのか。文章を書くことで収入を得ていた仕事はなくなるのでしょうか?
今回は「出版業界」と「ライター」というお仕事の今後についてお話します。
出版業界が不況になった本当の理由
スマホが普及しインターネットが身近になったおかげで、
文字を読む量は増えている
と言われています。文字情報には、ブログやニュースサイトの他、Twitter・LINEなどのSNSも含まれます。
文字を読む量が増えているのに、文字のプロである出版業界が不況になっているって、おかしくないか?
本が売れない理由
いろいろな人が出版不況・本が売れなくなった理由について述べています。
- 少子化で本を読む人口が減った
- インターネットが普及したから
- 図書館が本を貸し出しするから
- アマゾンが価格破壊をおこした
- 電子書籍の普及と不正コピー
少し前は、古本販売のブックオフが原因だと責められたことがありました。出版業界の分析では、本が売れない理由は、「社会環境」や「悪いことをする会社」が原因(?)なのだそうです・・・。
資本主義社会において、競争があるのは当然のことです。なので、競争相手(他者)や時代によって環境が変わるのは当然のことです。
出版界だけが、再販制度(どこで買っても同じ値段。値引き販売を禁止する制度)に守られて、「競争社会から取り残されていた出版業界」が不況になるのも当然です。
音楽業界は出版業界より一足先に不況脱出
出版物と同じように、音楽レコードも再販制度の対象でした。つまり出版業界と音楽業界はともに文化事業として、法律に守られていたのです。
ところが、Apple社のスティーブ・ジョブズが、iTuneseStoreで音楽配信を始め、その後、
- Apple Music
- Amazon Music Unlimited
- Spotify
- Google Play Music
- LINE MUSIC
- AWA
など、音楽の定額サービスも始まりました。音楽業界は変わらざるを得なくなったのです。
その結果、2017年の全世界の音楽業界総売上は、2008年以降最高を記録したそうです。音楽業界を復活させたのは、インディーアーティストを中心とするミュージシャンたちの努力によるものでした。
ミュージシャンたちは、音楽配信を上手く利用することでコンサートに来てもらいグッズを購入してもらい、口コミでファンを増やすなどの努力をしています。
音楽業界が復活しつつあるのは、クリエイターであるミュージシャンたちが努力したからです。
出版業界は不況を脱出できるか?
出版業界ではAmazonを敵とみなしている限りは、出版不況はまだまだ続きそうです。なにせ、販売力がある営業マン(Amazon)に本を売らせないのですから・・。
また、音楽業界ほど作家やライターの力が強くない業界ですので、作家やライターによる努力にも限界があります。
インディーズにあたる同人誌の市場規模は、増加してはいるものの業界を変えるほどの規模には育っていません。
なので、出版業界の下降は止まらないでしょうね。
出版不況を尻目に続伸するブログ・ライター業界
最近を雑誌は、読者モデルやブロガー・インスタグラマーなどが書いた記事が盛りだくさんです。雑誌編集者は常に、ブログやTwitter・インスタなどをチェックしており、記事や著者を探しています。
インターネットが普及したことで、広告・宣伝はホームページやブログでだすことが多くなり、ホームページがない企業は存在しないも同然という状態になっています。
つまりこれからは、ホームページやブログで商品紹介する優秀なライターが、ますます必要になってくるわけです。
雑誌編集者がブロガーに声をかけるように、企業が直接ライターに商品紹介記事を書いてもらいたいと依頼するようになってくるはずです。
文章はだれでも書けますが、人の心を動かす文章はそれなりの経験を積んだライターでないと書けません。ライティングがうまい人は、それなりの経験・知識を持っています。
出版不況が続き、本が売れなくなったとしても、
ペンは剣よりも強し
ライターというお仕事は、たとえどんなことがあっても無くなりません。
ライターはパソコンさえあればどこでもできる仕事で、言葉がある限りなくならない仕事です。たとえ、出版業界がなくなっても、ライターという仕事はなくなりません!