日本版CCRC構想は現代版「うばすて山」か?それとも介護問題解決の救世主?
日本の昔話「うばすて山」を覚えていますか?
権力者の命令で、年老いた母親を山に捨てに行くけれど・・・。というお話です。
日本語版CCRC構想の話を初めて聞いたとき、真っ先に思いだしたのが「うばすて山」でした・・・。
知ってましたか?
高齢者だけが住む街をつくる CCRC構想を!
日本語版CCRCってなに?
CCRCはアメリカで生まれた概念で、「Continuing Care Retirement Community」の略です。直訳すると「継続的なケア付きの高齢者たちの共同体」という意味になります。
いわゆる「長寿村」を人工的に作るということです。
日本語版CCRC構想は、アメリカで生まれた概念"CCRC"を拡大し、
- 医療費の削減
- 要介護者削減
- 介護施設不足の解消
- 都市部の人口集中解消
- 過疎が進む地方の再生
など、日本が抱える問題を解決しようという考え方です。
首相官邸ホームページに掲載されている「生涯活躍のまち」構想最終報告では、
「生涯活躍のまち(日本版 CCRC)」構想が目指すもの
「生涯活躍のまち」構想は、「東京圏をはじめとする地域の高齢者が、
希望に応じ地方や「まちなか」に移り住み、地域住民や多世代と交流し
ながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受け
ることができるような地域づくり」を目指すものである。
と書かれています。とても立派な考え方ですが。
うばすて山ではないのか?と思った理由
むかし話「うばすて山」は、
「権力者の命令で、息子が母親を、山に捨てに行く」のですが、
日本版CCRCは、
「政府が、健康な高齢者が自らの意思で、地方に移り住む」ことを勧めています。
うばすて山を思い起こしたのは、強制ではないけれど、うばすて山の権力者の考え方にとても似ていると思ったからです。
地方は、うばすて山ではありませんが・・
↓こちらの記事も参考になります↓
生涯活躍のまちとは?
政府は、日本版CCRC構想を「生涯活躍のまち」というわかりやすい表現に変えました。
1.高齢者が住みやすい魅力的な街を、地方につくる。
建設費用や設備の工事などが必要になり、建設ラシュ効果で地方の財政が潤う。
2.健康な高齢者を、都心から地方に移住させる。
都心部に集中する人口を地方に流し、人口の一極集中・地方の人口減少を食い止める。
3.要介護者にならないように、高齢者の健康を管理する。
高齢者が健康で長生きすれば、医療費が削減され、介護施設の不足も解消される。
確かによく考えられた構想だと思います。ですがわたしは、納得できないです。なぜなら、
「生涯活躍のまち」には、「若者」の姿が見えないからです。
「生涯活躍のまち」の入居条件は50歳以上
千葉県にある『スマートコミュニティ稲毛』は、日本最大級のCCRCを謳っています。
そのコミュニティに参加する資格は、「原則50歳以上」となっていました。
若い間は都心で働き、50歳になったら地方に移住して老後を過ごす「生涯活躍のまち」構想は、
「老後・介護の心配をしなくてすむ安心なまち」ですから、日本人にとって「あこがれのライフサイクル」になるのではないでしょうか?
老後は生涯活躍のまちに住みたい?
50歳以上の高齢者たちが、お互いを支えながら幸せに住む「生涯活躍のまち」構想。
発想自体は悪くはないし、理想の姿だとも思うけど・・。
わたしは「若い人がいないところに住むのはイヤだな~」と思います。だって、若い人を見ているだけで元気がでるもの、生きる力も湧いてくるもの。
高齢者しかいない場所を「生涯活躍のまち」と言われてもねぇ・・・。
あなたは、「生涯活躍のまち」に住みたいですか?